中学生は文節というものを学習します。
たとえば、
今日の朝はいつもカーテンからこぼれる光が届かない。だから起きられなかったというわけではない。
という文節に分けてみましょう。
すると、
今日の/朝は/いつも/カーテンから/こぼれる/光が/届かない。/だから/起きられなかったと/いう/わけでは/ない。
となります。
おそらくこれを分けることは中学生にとって難しいと思います。
特に「起きられなかった」は困難でしょう。
なぜこのように分けられるか考えてみましょう。
「ネ」で分けると難しい?
皆さんは中学の時、「ネ」を入れて分けられるところが文節だよ。
と教わりませんでしたか。
私はこれで習い、文節を全然理解できませんでした。
なぜなら、
「ネ」を入れる方法は人の感覚によって異なるからです。
たとえば
さきほどの「起きられなかったと」に「ネ」を入れると
「起きられネなかったと」
のように入れてしまうことがあります。このように感覚で入れる「ネ」では、言葉を文法的に見ることなどできません。
では、なぜ「ネ」を入れるように指導させるのでしょうか。
それは文節を理解するには「品詞」を識別できるようにならないといけなく、多くの場合、品詞を詳しく習うのは文節よりも遅いからです。だから、文節を品詞の知識から分けるということができないのです。
本記事では「品詞」を学習したうえでの文節の分け方を書きます。
以下に文節をまとめたものがあるのでご覧ください。
文節の規則
上の添付記事「品詞の概要・まとめ」の中にもありますが、そもそも文節とは、
文をくっぎても意味がおかしくならないかたまり
のことです。さきほどの例文で考えると、
今日の/朝は/いつも/カーテンから/こぼれる/光が/届かない。/だから/起きられなかったと/いう/わけでは/ない。
というもので/と/の間を文節と言います。
そしてここからが肝なのですが、
文節の中には必ず自立語があります。また、
付属語「だけ」の文節はない。という特徴があります。
- 一文節に必ず自立語がひとつ
- 付属語だけの文節はない
ちなみに付属語とは「助詞・助動詞」のことで、自立語とは「付属語以外」のことです。詳しくは、以下からもどうぞ。
文節の分け方
それでは実際に分けてみましょう。
さきほど下の例文はこのように、分けられると書きました。
本当に文節の規則通りなのでしょうか。
それぞれを単語に区切って、自立語か付属語かを判断してみましょう。
今日/の/朝/は/いつも/カーテン/から/こぼれる/光/が/届か/ない。/だから/起き/られ/なかっ/た/と/いう/わけ/で/は/ない。
このように分けられます。
それぞれ以下のようになります。
- 今日→名詞→自立語
- の→助詞→付属語
- 朝→名詞→自立語
- は→助詞→付属語
- いつも→副詞→自立語
- カーテン→名詞→自立語
- から→助詞→付属語
- こぼれる→動詞→自立語
- 光→名詞→自立語
- が→助詞→付属語
- 届か→動詞→自立語
- ない→助動詞→付属語
- だから→接続詞→自立語
- 起き→動詞→自立語
- られ→助動詞→付属語
- なかっ→助動詞→付属語
- た→助動詞→付属語
- と→助詞→付属語
- いう→動詞→自立語
- わけ→名詞→自立語
- で→助詞→付属語
- は→付属語→付属語
- ない→形容詞→自立語
つまり、単語に区切ったものに色を塗ると
今日/の/朝/は/いつも/カーテン/から/こぼれる/光/が/届か/ない。/だから/起き/られ/なかっ/た/と/いう/わけ/で/は/ない。
となり、これを文節にすると、
今日の/朝は/いつも/カーテンから/こぼれる/光が/届かない。/だから/起きられなかったと/いう/わけでは/ない。
となります。
ここで注目したいのが、文節には
- 自立語のみ
- 自立語+付属語(+付属語・・・+付属語)
の2種類しかないということです。
この規則がとても大切です。
- 自立語のみ
- 自立語+付属語(+付属語・・・+付属語)
ちなみに、「られなかったと」のように付属語に付属語が接続することがあるので、「付属語(+付属語・・・付属語)」としています。
文節は品詞を理解することでとても簡単になります。場合によっては品詞を先に学習してもいいかもし
れませんね。
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