はじめに
今回は品詞に関する内容のpart②です。①は以下よりご覧ください。
前回の続きになります。ぜひそちらからご覧になると理解が深まると思います。
また以下は品詞part①~⑦のまとめになります。
それでは本記事では「用言」と言われる「動詞・形容詞・形容動詞」について学んでいきましょう。
概要
「u段」とは母音が「u」であることを示し、「い」「だ。・です」は実際に「だ・です」と発音します・
なお、「きれいだ」という形容動詞はたびたび「きれい」だけで使用されることがありますが、これは「だ」が抜け落ちているだけで形容動詞です。
解説
用言とは
前回「自立語・付属語」について書きましたが、今回は自立語の中の「用言」というものを見ていきます。以下の画像も参考がてらどうぞ。
用言とは、活用する自立語のことで動詞・形容詞・形容動詞のことを指します。
たとえば、活用形の連用形の意味のひとつに「『用言』に連なる」というものがありましたが、この「用言」もこれらのことです。
つまり連用形(用言に連なる形)とは、「動詞・形容詞・形容動詞に連なる形」ということです。
活用形については以下の記事をご参照ください。
それではそれぞれの品詞を見てみましょう。
用言とは「動詞・形容詞・形容動詞」のこと
動詞
動詞は、ものごとの動作や存在を主に表す言葉です。
たとえば
わたしは朝起きて、ごはんを食べて着替えて歯を磨いて、今は玄関にいる。
という例文があるとき、「起き」「食べ」「着替え」「磨い」「いる」が動詞になります。
しかし、ときには、その語が動作や存在を表す語であるのか判断がつかない場合があると思います。
そんなときは、その語が
- 活用する自立語(助詞・助動詞という付属語ではないもの)である
- 言い切り形(終止形)が「ウ(u)段」である
この二点に該当するかを考えてください。
まず一点目として「起き」「食べ」「着替え」「磨い」「いる」は付属語ではありません。
二点目として、「起き」は「起きる(u)」、「食べ」は「食べる(u)」、「着替え」は「着替える(u)」、「磨い」は「磨く(u)」となります。「いる(u)」はそのままです。終止形がu段です。
これが動詞です。
なお、活用するということは活用表があります。詳しくは以下の記事をご参照ください。
動詞
- 活用する自立語である
- 終止形(言い切りの形)がu段
形容詞
形容詞とはものごとの状態や性質を表します。
たとえば、
この暖かい日差しですら、朝の弱いわたしを起こすことはない。しかし彼女の優しかった声ならば、起き得えたのだろうか。
という例文があるとして、「暖かい」「弱い」「ない」「優しかっ」が形容詞になります。ちなみにその語が形容詞であるかどうかは
- 活用する自立語(助詞・助動詞という付属語ではないもの)である
- 言い切り形(終止形)が「~い」である
という点で判断できます。「暖かい」「弱い」「ない」はそのまま(厳密には「暖かい」「弱い」は連体形である。そのため終止形に直すが、終止形と連体形は活用語尾が同じなため、ここでは「そのまま」とする)、「優しかっ」は「優しい」となるため、形容詞となります。
ちなみに、動詞の判断基準で「ウ段」と言いましたが、これは母音がuであるということで、形容詞の「~い」とは異なるので要注意です。
形容詞
- 活用する自立語である
- 終止形(言い切りの形)が「い」
形容動詞
形容動詞とはものごとの状態や性質を表します。
たとえば
穏やかな朝は、静かに読書をするにはもってこいだ。
という例文があったとき「穏やかな」「静かに」が形容動詞になります。形容動詞は
- 活用する自立語(助詞・助動詞という付属語ではないもの)である
- 言い切り形(終止形)が「~だ・です」である
「穏やかな」は「穏やかだ・穏やかです」、「静かに」は「静かだ・静かです」となります。
形容詞も形容動詞もどちらも「ものごとの状態や性質」を表します。ですので、働きはほとんど一緒ですが、その活用の仕方から形容動詞と言われます。また、形容動詞を認めない考え方もありイ形容詞・ナ形容詞ということもありますが、これはまた別の記事で書きます。
ちなみに多くの生徒は「きれい」という語の品詞に困ります。
「きれい」は例外もあるかもしれませんが基本的には「形容動詞」です。たとえば
あのきれいな女性は・・・。
あの女性はきれいだ。
これらは明らかに「だ・です」に直せるので形容動詞と気づきます。しかし
ああ、きれい。
この場合往々にして形容詞と間違えます。しかしこれは「で・です」が抜けているだけで、本来は「ああ、きれいだ」となるため形容動詞となります。
形容詞
- 活用する自立語
- 終止形(言い切りの形)が「だ・です」
このように用言には「動詞」「形容詞」「形容動詞」があります。国語科学習者ならばわかると思いますが非常に重要です。高校での古典学習の基盤づくりのためにしっかりと習得しましょう。
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