はじめに
前回までに①自立語・付属語 ②用言 について記事を書きました。ご参照ください。
本記事では「体言」というものについて書きます。
概要
用言や助動詞の活用形に「連体形」という活用形がありますが、これは「体言に連なる形」という意味でした。
この「体言」というのが今回の内容です。
体言は品詞でいう名詞のことで、この名詞は
①代名詞
②普通名詞
③固有名詞
④数詞
の四つに下位分類できます。
解説
体言とは
体言とは簡単に言うと「名詞」のことです。
以下の画像もご参照ください。
(なお、「代名詞」を品詞として十一分類することもあるがここでは名詞の種類とする)
この画像からもわかるよう、
体言つまり名詞は活用しない自立語の一つです。
その中でも以下のように特に主語になれるという特徴があります。
- リンゴが実る。
- これが私のやり方だ。
- 富士山は日本一だ。
- 一番が良い。
また、
連体形の意味が「体言に連なる」というものでしたが、
体言は名詞のことであるということから、
連体形とは名詞に連なるという意味ですね。
以下の記事は活用形の意味の記事です。
- 体言とは名詞のこと
- 体言(名詞)は主語になる
- 連体形の「体」は「体言」の「体」
名詞(体言)の種類
名詞には大きく4種類あります。
(代名詞を名詞の四種類ではなく、名詞とは異なる品詞として考える場合は、名詞の種類は三種類になる。)
- 代名詞(これ、それ、わたし、父)
- 普通名詞(りんご、ペン、犬)
- 固有名詞(聖徳太子、富士山、広島)
- 数詞(一個、二番、三匹、四歳)
この四つになります。
それではそれぞれを見ていきましょう。
1、代名詞
代名詞はその名の通り「名前に代わる言葉」という意味です。
例えば、
私は昨日枕シーツを変えた。それは新品のにおいがした。
ここでの代名詞は「それ」です。
この「それ」は直前の「枕シーツ」のことですよね。
つまり「枕シーツ」という名前に代わって「それ」が使われているというわけです。
「それ」のほかにも「これ・あれ・どれ」なども代名詞です。
加えて、「わたし・父」なども代名詞です。
こんにちは、みかたんごです。わたしは広島県で生まれ育ちました。
この「わたし」は「みかたんご」という名詞に代わって使われているため代名詞といえます。
「それ」と「その」の違い
「指示語」という言葉を聞いたことがありますか。
指示語とは、別のものを指し示す語と解釈できる語です。
「それ」も「その」も、なにかを指し示すという点で「指示語」です。
ただし「指示語」のうち
「この、その、あの、どの」は代名詞ではなく連体詞です。
この区別がつかず、「この、その、あの、どの」を代名詞とする生徒はたくさんいます。
連体詞はかならず、「体言に連なり」ます。
連体詞の例
このリンゴが赤くておいしそうだ。
「リンゴ」という体言(名詞)に「この」という語が連なっています。
だから「この」は連体詞です。
以下の記事も参考にしてください。
一方で
代名詞は名詞の種類で主語になれます。
しかし連体詞は主語にはなれません。
(代名詞)〇 これがおいしいんだ。
(連体詞)✖ このがおいしいんだ。
連体詞は主語にはなり得ていないですよね。その点が代名詞と連体詞の違いの一つでもあります。
こそあど言葉
「こそあど言葉」というものを聞いたことがありますか。
こそあど言葉とは
こ・・・これ/この
そ・・・それ/その
あ・・・あれ/あの
ど・・・どれ/どの
これらのことを「こそあど言葉」といいます。
要は指示語のことです。
代名詞まとめ
- 名詞の代わりになる語
- 「これ」「あれ」「父」「わたし」など
- 「この」「あの」などは連体詞
- 「これ・この」「それ・その」「あれ・あの」「どれ・どの」を「こそあど言葉」という
2、普通名詞 3、固有名詞
「固有名詞」が聖徳太子、織田信長、伊藤博文という言葉を指すのに対し、
「普通名詞」は人、政治家、武将という言葉を指します。
普通名詞は固有名詞の上層にあたり、グループ化したというイメージのものです。
固有名詞は普通名詞の下層にあたり、普通名詞の中の特定のものです。
ほかに
- (固有名詞)富士山、キリマンジャロ、アコンカグア
- (普通名詞)山
- (固有名詞)清水寺、浅草寺、金閣寺
- (普通名詞)寺
などいくらでもあります。
3、数詞
数詞とは
「一つ、二冊、三番、四枚」のように、
ものの数や量を表す言葉です。
ちなみに
「つ、冊、番、枚」などのように
数字につく言葉を数助詞といいます。
名詞にはこのような種類があります。
ほかに転成名詞、
複合名詞、
形式名詞など
もありますが
それはまた別の記事に書きます。
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