六書(りくしょ)
漢字の攻略法を説明する前に、クラスの状況によっては「六書」の話をしてもいいかもしれません。
「六書」とは、漢字の作り方や用い方を、「象形・指示・会意・形声」及び「転注・仮借」の六つに分類したものです。特に前四つを「造字法」といい、後ろ二つを「用字法(転用法)」といいます。
学校では多くは造字法のみを学ぶと思うので、本記事では造字法を説明し、最後に漢字の(普遍的というわけではないが)攻略法を書きますね!
用字法(転用法)については以下をご参照ください。
象形文字
象形文字とは、形を象った文字という意味です。つまりある具体的な事物をもとにして作った漢字ということです。
ここには「日・月・木・馬」などが該当します。
それぞれの漢字は実際の太陽・月・木・馬がもととなって作られています。このような漢字を象形文字といいます。
指示文字
指示文字とは、指し示す文字という意味です。これは、象形文字が具体的な事物をもとにして作られているのに対して、具体的な事物としては存在しない、概念的・抽象的なものを指し示すために作られた漢字です。
ここでは「上・中・下・本・一・二」などが該当します。
実際に「上」という物体は存在せず、同様に「一」という物体はありませんよね。
このように概念的・抽象的なものを表した漢字を指示文字といいます。
会意文字
会意文字とは、二つ以上の文字を組み合わせて新しい意味が作られた漢字です。
ここでは「林・炎・鳴」などが該当します。
「林」は「木」と「木」を合わせて、木がたくさん生えている「林」を表します。
「炎」も「火」と「火」を合わせて、火が盛んに燃えている「炎」を表します。
「鳴」は「口」と「鳥」を合わせて、鳥が口から音を出して鳴いている「鳴」を表します。
このようなものを形成文字といいます。
形声文字
形声文字とは、意味を表す漢字(形)と音を表す漢字(声)を合わせて作られた漢字です。それぞれを意符、音符とも言います。
ここには「期・管・層」などが該当します。
「期」は意味を表す「月」(意符)と音を表す「其」(音符)を
「管」は意味を表す「竹」(意符)と音を表す「官」(音符)を
「層」は意味を表す「尸」(意符)と音を表す「曽」(音符)を
それぞれ組み合わせたものです。
なお、「音を表す」というのはあくまで「音読み」に関してです。訓読みは関係ありません。
このようなものを形声文字といいます。
漢字の攻略法
さてここで突然ですが下の漢字は何と読むでしょう。
駱駝
この漢字は
形声文字の知識を使えば攻略できます。
この漢字には意符があります。それは「馬」です。そのため「もしかしたら馬っぽい生き物かも」と想像できます。
次に「音符」です。「各」と「它」です。それぞれの読みを考えてみましょう。
読みを考える際は、同様の音符が使われている漢字を想像してみてください。
各・・・格・閣・客・酪・落・絡
它・・・陀・柁・舵・蛇
それでは読みを考えてみましょう。
あり得るとしたら「カクダ」か「ラクダ」ですよね。
こうなるともう「ラクダ」ですよね。ですので「駱駝」はラクダと読みます。
でもなぜこれが攻略法というのでしょうか。まあもちろんこれも完全攻略というわけにはいかず、少し楽に漢字を勉強できる程度なのですがね、実は。
この形成文字、参考書や学者によって見解はことあるのですが、最小値と最大値をとると漢字の約6~8割が形成文字らしいのです。
ですので、読み方が分からない場合、最悪、音符を読めば正解する可能性が高いというわけです。
まあともかく漢字はおもしろいですね!!
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