活用形とその意味?(口語文法)

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はじめに

国語を文法的に学ぶにあたって欠かせないのが、言葉を分節することです。

分節するとは、例えば、文章を段落に分けたり、段落を文で分けたり、文を文節に分けたり、文節を単語に分けたり、ひいては単語を音声や音素と呼ばれる発音に関わるレベルまでさまざまな分節の方法・観点があります。

そのなかで欠かせない知識として活用形というものがあります。

そしてその活用形には、その活用形の名前に見合った意味があります。

本記事では活用形とその意味を確認しましょう。





概要

活用(変化)する言葉である用言には活用形があり、その活用形は意味と接続する言葉と共に理解することが必要です。





解説

活用形とは?

現代語の国語で「活用形」という言葉を耳にしたことがあると思います。

そもそも「活用する」とは、その言葉(動詞や形容詞など)の形が変わることと考えましょう。

例えば・・・動詞「読む」で考えると

となります。

そして、この未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形(古文では「已然形」)・命令形のことを活用形と言います。

生徒のあるあるとして「活用形」と「活用の種類」を区別していないことが挙げられます。

「活用の種類」は「マ行四段活用」のように、「〇行〇段活用」のことであることを注意させましょう。

ただ、単に活用形を覚えろと指導するのではなく、それぞれの活用形の意味を含め指導することが生徒の学習の幅を広げます。(ただしクラスの状況によります。)




各活用形の意味

先ほど確認したように活用形には、

然形、連用形、終止形、連体形、仮定形(已然形)、命令形

が存在します。では、それぞれの意味を確認しましょう。その時ポイントになるのは、熟語の意味を考えるということです

未然形

「未然」とは、「未だ然らざる」と読め、「まだそうなっていない」という意味です。

そのため、「未然形」には打消の助動詞「~ない」や意志などの助動詞「~(よ)う」が「読まない」、「読もう」のように接続します。

「読まない」は読むという動作がまだ終わっていないことを表し、「読もう」も同様に読むという動作が終わっていないからこそ出てくる表現です。

このように、まだ動作が終わっていないことやこれから行おうとする内容を表すとき、必ずではないが未然形となるのです。

連用形

「連用」とは①「連続して用いる」②「用言に連なる」の二通りに読めます。

それぞれの意味は以下のようになります。

①連続して用いる

「連続で用いる」とは、文と文(または単語と単語)を連続で用いるという意味です

例えば、「朝起きる。」、「歯を磨く。」という文があったとき、これを一文にすると、

「朝起きて歯を磨くとなります。

このとき「朝起きる。」と「歯を磨く。」という文を連続で用いていると考えます。

すると、「起きる」が「起き」と活用します。

ここでポイントは「起き」につく「て」です。

そしてこの「て」がつく言葉が連用形になります。つまり、「朝起きて歯を磨く。」という文では、「起き」が連用形になるということです。

②用言に連なる

そもそも用言とは、簡単に言うと「動詞(走る、起きる、食べるなど)」・「形容詞(赤い、早い、美しいなど)」・「形容動詞(元気だ、静かです、きれいだ)」の三つの品詞のことを指します。

以下も参考にしてください。

これらに連なる(くっつく)性質から連用形と言います。たとえば、

  1. 本を読む

という例文で考えます。これに始めるという語を接続させると、

  1. 本を読み始める

となります。

このとき「読み」は以下にあるように連用形です。

これは「はじめる」という用言(動詞)に連なっているからです。

このように用言に連なるとき、活用形は連用形になります。

今は動詞が動詞に連なるというものでしたが、他に以下のようなパターンなどもあります。

  1. 読み始める。→動詞+動詞
  2. 早く読む。→形容詞+動詞
  3. 赤く強く燃える。→形容詞+形容詞+動詞
  4. 赤く静かに燃える。→形容詞+形容動詞+動詞
  5. 静かに読む。→形容動詞+動詞
  6. 静かに赤く燃える。→形容動詞+形容詞+動詞
  7. 静かに静かに燃える。→形容詞+形容動詞+動詞

太字になっているところはすべて連用形です。

〇連続して用いる(「起きて歯を磨く」など)

→文などを連続して用いる。

「て」が接続する

〇用言に連なる(「読み始める」など)

→用言+用言




終止形

終止とはまさに「おわる」ことです。例えば「読む」で考えると、

8.本を読む

という感じです。

このとき文が終止している(終わっている)ので「読む」は終止形といえます。

このように文を終わらせるような場合は終止形となります。

連体形

連体形とは「体言に連なる」という意味です。

そもそも体言とは、いわゆる名詞のことで、代表的に「こと・もの・とき」が挙げられます。「読む」を例にすると、

  1. 本を読むことは、

「読む」が「こと」という体言に連なっています。

ここで終止形と連体形は形が同じということに注意しましょう。口語文法(現代文法)においては終止形も連体形も同じ形になります。(文語文法では終止形と連体形は異なる)

識別の基準は「体言が接続しているかどうか」です。

以下の記事も参考にしてください。

さてこのように体言に連なるものを連体形と言います。




仮定形

仮定形とは「仮に定める」という意味です。

「読む」で考えると

  1. もし本を読めば、

の「読め」が仮定形です。

このとき「読む」の後ろには多く「ば」が接続しているということを覚えておきましょう

古文(文語文法)では仮定形が「已然形」になるので注意しましょう。

ちなみに已然形は、すでに然る形という意味で仮定の意味ではなくなります。

以下も参考にしてくだい。

命令形

これは「命令する」という意味です。

「読む」でいうと

  1. 本を読め

このように命令する「読め」が命令にあたります


このように活用形は、その意味と使い方を同時に理解していきましょう。

ここに動詞の活用形と活用の種類の問題演習のファイルを載せます。教科書に載っている問題以外に取り組ませたい方はどうぞ。(一時休止)






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