言葉の単位

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はじめに

言葉の単位とは、世界に無数にある言葉を区切り取るという、いわゆる「分節」をすることです。「文節」ではなくて「分節」です。

言葉という本来目に見えないものを可視化し、それを細かく分けていきます。

このような視点が国語の言語学的研究に生きてきます。

またこの視点は言葉を分節するだけではなく、世界そのものも分節します。

・・・

小難しい話になってきましたので、一旦この話は終わりにして、本記事の内容に入りましょう。





概要

文節については別の記事にも書いてますので参考にしてください。

この文節については、主観的ではなく客観的な文節の分け方を学べます。





解説

言葉の単位

日本語の言葉の単位には、「文章」→「文」→「文節」→「単語」があり、意味を持つ言葉のなかで文章が最大の単位になり、単語が最小の単位になります。

中学生、ましてや高校生ですら曖昧にしかとらえていません。

たとえば、以下のような本文と問題があったとします。

(本文) 朝の暖かい光にわたしは優しかった母の腕の中を思い出し、銀色の目覚まし時計が鳴る中、そっと布団に抱きしめられる。ああ、この音がまた心地よい。わたしを起こしてくれたあの声を思い出させる。


(問題)本文中の太字「あの声」とは誰の声か。一文節で抜き出しなさい。

この問いの答えは「母の」です。

なぜ「母」が答え出ないかと言うと、(問題)で「一文節」で答えるように指示がされているからです。

このように、文節で答える、もしくは単語で答えさせようとすると、やはり一定数は文節と単語を混同させてしまします

この「文章」「文」「文節」「単語」という単位は、言語学専攻である私からしても当然押さえておかなければならない項目です。

この観点は研究の基本になります。

また、高校で古文を勉強する際にもここら辺の基礎ができているかは、徐々に大きな差を生じさせます。

ですので、しっかりと基礎作りとして理解させましょう。




単語とは

単語とは、意味を持つ言葉の最小の単位と言われます。

「意味を持つ」ですので、音声的に「り」が/r/と/i/に分けられるというような話ではありません。

単語とはたとえば、「りんご」「これ」「走る」「小さい」「静かだ」「とても」「あらゆる」「しかし」「あぁ」「~より」「~ない」などが単語になります。

ちなみに単語には、品詞と言うものがあり、これは単語をグループ化したものです。

主に十種類あります。(「代名詞」を名詞と異なるものとして十一分類する立場もありますがここでは名詞の種類とし、十分類にする)

簡単に挙げると、

名詞(りんご、これ)、動詞(走る)、形容詞(小さい)、形容動詞(静かだ)、副詞(とても)、連体詞(あらゆる)、接続詞(しかし)、感動詞(あぁ)、助詞(~より)、助動詞(~ない)

文節とは

文節とはいくつかの単語を集めたもので、後述する「文」を意味が通じる程度に細かく分けたものです。

たとえば、

この赤いリンゴは、とてもゆっくり成長して、あらゆる赤色を飲み込む赤となった

これを文節に分けると、

この/赤い/リンゴは、/とても/ゆっくりと/成長して、/あらゆる/赤色を/飲み込む/赤と/なった。/

となります。この分け方として、一般的には / の部分に「ネ」「ナ」を入れるといいと言われますが、まあこの教え方をやめたほうがいいでしょう

文節の分け方は

①自立語のみ

②自立語+付属語(+付属語)

のどちらかで。

詳細は以下の記事も確認してみてください。






文とは

文とは、「。」から「。」までのことをいいます。たとえば、

今日の朝はいつもと違う。昨日まであったものを失ったから。もう取り戻せない。だが、それでいい。昨日失ったものを、今日新しいもので埋めてしまおう。

上の内容だと、5文になります。

①今日の朝はいつもと違う。②昨日まであったものを失ったから。③もう取り戻せない。④だが、それでいい。⑤昨日失ったものを、今日新しいもので埋めてしまおう。

問題で「一文で」といわれたら、「。」から「。」までというのを意識しましょう。

文章とは

文章とは複数の文が集まったひとかたまりのもののことです。

さきほどの

今日の朝はいつもと違う。昨日まであったものを失ったから。もう取り戻せない。だが、それでいい。昨日失ったものを、今日新しいもので埋めてしまおう。

で考えると、これ全体で文章となります。

言葉の単位を大まかに分けるとこのようでしょう。

ほかに「段落」がありますが、段落は言葉の単位というよりも、文章全体での意味上の単位となるので、ここでは取り扱いません。






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