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『無名抄』「深草のこと・おもて歌のこと・俊成自讃歌のこと」

この記事は約18分で読めます。

はじめに

【筆者】

鴨長明

【成立】

鎌倉時代(1211~1216年の間)

     〔鎌倉時代自体は1185~1333年〕

【ジャンル】

歌論書

【別タイトル】

「おもて歌のこと」「深草の里」「俊成自讃歌のこと」など

【特徴】

和歌・歌人・歌の心得などについて記している。

またこの「おもて歌のこと」は、鴨長明とその歌の師匠である俊恵が会話している場面で、前半と後半のニ段落に分けられる。

前半は、俊恵が俊成(五条三位入道)のもとを訪れた時のやりとりの回想である。誰が何を話しているかがわかりにくいので、敬語や会話内容から理解していく必要がある。

後半は、この回想を踏まえて、俊恵がどう思っているかを鴨長明に述べている場面である。

上記の【特徴】にあるように、だれが何を話しているかが大変わかりにくいので、敬語を中心に丁寧に確認していく必要があります。






概要

俊恵俊成のもとに訪れた際、俊成は「『夕されば…』が代表歌である」と言ったが、俊恵は後にこっそりと鴨長明に、「あの歌は三句目が残念だ。」と述べた。その折に、俊恵は鴨長明に「私の代表歌は『み吉野の…』である。後世の人のそう伝えてください。」と言った。

解説

本文

俊恵(しゅんゑ)曰はく、「五条三位(さんみの)入道のみもとにまうでたりしついでに、『御詠(ごえい)の中には、いづれをか優れたりと思ほす。人は、よそにて様々に定め侍れど、それをば用ゐ侍るべからず。まさしく承らん。』と聞こえしかば、

「夕されば野辺の秋風身に染みて鶉鳴くなり(ふか)(くさ)の里

これをなん、身にとりておもて歌と思ひ給ふる。』と言はれしを、俊恵また曰はく、『世にあまねく人の申し侍るには、

面影(おもかげ)に花の姿を先立てて幾重(いくへ)超え来ぬ峰の白雲

これを優れたるやうに申し侍るはいかに。』と聞こゆ。『いさ。よそにはさもや定め侍るらん、知り給へず。なほ自らは、先の歌には言ひ比ぶべからず。』とぞ侍りし。」と語りて、これをうちうちに申ししは、「かの歌は、『身に染みて』と言ふ腰の句のいみじう無念におぼゆるなり。これほどになりぬる歌は、景気を言ひ流して、ただそらに身に染みけんかしと思はせたるこそ、心にくくも優にも侍れ。いみじく言ひもてゆきて、歌の(せん)とすべきふしをさはさはと言ひ表したれば、むげにこと浅くなりぬるなり。」とぞ。そのついでに、「我が歌の中に、

み吉野の山かき曇り雪降れば(ふもと)の里はうちしぐれつつ

これをなん、かの(たぐ)ひにせんと思ひ給ふる。もし世の末におぼつかなく言ふ人もあらば、『かくこそいひしか。』と語り給へ。」とぞ。






(注付)

俊恵(しゅんゑ)※1曰はく、「五条三位(さんみの)入道※2のみもとにまうで☆1たりしついで☆2に、『御詠(ごえい)の中には、いづれをか優れたりと思ほす☆3。人は、よそにて様々に定め侍れど、それをば用ゐ侍るべからず。まさしく承ら☆4ん。』と聞こえ☆5しかば、

「夕されば野辺の秋風身に染みて鶉鳴くなり(ふか)(くさ)の里※3

これをなん、身にとりておもて歌と思ひ給ふる☆6。』と言はれしを、俊恵また曰はく、『世にあまねく☆7人の申し侍るには、

面影(おもかげ)に花の姿を先立てて幾重(いくへ)超え来ぬ峰の白雲※4

これを優れたるやうに申し侍るはいかに。』と聞こゆ。『いさ※5。よそにはさもや定め侍るらん☆8、知り給へ☆9ず。なほ自らは、先の歌には言ひ比ぶべからず。』とぞ侍りし。」と語りて、これをうちうちに申しし☆10は、「かの歌は、『身に染みて』と言ふ腰の句※6のいみじう無念におぼゆるなり。これほどになりぬる歌は、景気☆11を言ひ流して、ただそらに身に染みけんかしと思はせたるこそ、心にくく☆12も優にも侍れ。いみじく言ひもてゆきて※7、歌の(せん)※8とすべきふしをさはさはと☆13言ひ表したれば、むげに☆14こと浅くなりぬるなり。」とぞ☆15。そのついでに、「我が歌の中に、

み吉野の山かき曇り雪降れば(ふもと)の里はうちしぐれつつ※9

これをなん、かの(たぐ)ひにせんと思ひ給ふる☆16。もし世の末におぼつかなく☆17言ふ人もあらば、『かくこそいひしか。』と語り給へ。」とぞ☆18






補足・注

※1俊恵…歌人。鴨長明の歌の師。

※2入道…藤原俊成。「俊成」ともいう。

※3夕されば~…俊成が思う、自身の代表歌。夕方になると野辺の秋風が身に染みて、鶉が鳴いているようだ(鳴いているのが聞こえる)この深草(京都市伏見区の地名)の里では。

※4面影に~…世間の人が思う、俊成の代表歌。白雲に花の姿を想い馳せて、後を追い、幾重もの峰を越えて来た。

※5いさ…さあ。

※6腰の句…第三句

※7言ひもてゆきて…言い流す程度にして

※8歌の詮…中心になるところ。眼目

※9み吉野の~…俊恵が思う、自身の代表歌。「み吉野の」の「み」は美称。み吉野(奈良県吉野郡)の山が曇って雪が降ると麓の里ではしきりに(冷たく・さみしい)時雨が降る






重要単語・文法

☆1まうで…参上する。謙譲語「まうづ」の連用形。俊恵から俊成へ。

☆2ついで…ときに。折に。機会に。

☆3思ほす…尊敬語「思ほす」の連体形。俊恵から俊成へ。「いづれをか」の係助詞「か」の結びの語。

☆4承ら…お聞きする。謙譲語「承る」の未然形。俊恵から俊成へ。

☆5聞こえ…申し上げる。謙譲語「聞こゆ」の連用形。俊恵から俊成。

☆6給ふる~ております。下二段活用なので、謙譲語「給ふ」の連体形。俊成から俊恵。「これをなん」の係助詞「なん」の結びの語。

◎「給ふ」には四段活用と下二段活用がある。前者は尊敬語で、後者は謙譲語。

よく出題されるところでもあるので区別しておきましょう。

☆7あまねく…広く。

◎「普遍」はどちらも「(あまね)く」「(あまね)く」と読む。

☆8らん…現在推量の助動詞「らん(む)」の連体形。「よそにはさもや」の係助詞「や」の結びの語。

☆9給へ…下二段活用なので、謙譲語「給ふ」の未然形。俊成から俊恵。

☆10うちうちに申しし…「こっそりと申しました」。副詞「うちうちに」、動詞「申し」、助動詞「し」に分解。

◎「申す」は謙譲語であるが、ここは「鴨長明(書き手)→読者」への敬意。

「うちうちに申しし」は俊恵の行動なので、俊恵に対する敬意であるなら、そもそも尊敬語でなくてはならない。また、俊恵に「うちうちに申」されたのは、鴨長明なので、通常であれば謙譲語で、動作の受け手である鴨長明自身に対する敬意となる。しかしこれは適切ではない。

 実は、謙譲語は「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」に細別できる。Ⅰは、通常の、動作の受け手に対する敬意を表すものである。一方でⅡは、「私は〇〇と申します。」の「申します」のように、聞き手に対して敬意を払う丁寧語のような働きをする。このような性質を持つ謙譲語を「謙譲語Ⅱ」もしくは「丁重語」と呼ぶ。

☆11景気…情景。

☆12心にくし…奥ゆかしい。

☆13さはさはと…はっきりと。

☆14むげに…ひどく。

☆15とぞ…と言った。「とぞ」の下に「言ひける。」などが省略されている。

☆16給ふる…下二段活用なので、謙譲語「給ふ」の連体形。俊恵から鴨長明へ。「これをなん」の係助詞「なん(なむ)」の結びの語。

☆17おばつかなく…はっきりしない。よくわからない。気がかりだ。

☆18とぞ…と言った。「とぞ」の下に「言ひける。」などが省略されている





現代語訳

【現代語訳のみ】

(わたくし鴨長明の和歌の師である)俊恵が(わたくしに)いうことには、「五条三位入道(=藤原俊成)のお屋敷に参上したときに、(私が俊成に)『あなたの歌の中では、どの歌を優れているとお思いですか。ほかの人はさまざまに評定していますが、その意見を用いるべきではございません。まさに今お聞かせ願いたいと思う。』と申し上げたところ、

  夕方になると野辺の秋風が身に染みて、鶉が鳴いているようだ(鳴いているのが聞こえる)この深草(京都市伏見区の地名)の里では。

これを私の代表歌と思っております。」と(俊成が)言いなさったのを、わたくし俊恵が、また言ったことは、『世の中の広くの人々が申しますは、

  白雲に花の姿を想い馳せて、後を追い、幾重もの峰を越えて来た。

これを、優れているように申しますは、いかがでしょうか。』と申し上げると、(俊成は)『さあ、よそではそのように評定しているかもしれませんが、知ったことではございません。やはり、わたくし自らは、(「面影に」の歌は)先ほどの歌(夕されば)には、言い比べることはできない。』とございました。」と(俊恵がわたくし鴨長明に)に語って、このことを、こっそりと申したことは、「あの歌は『身に染みて』という三句がとても残念に思われる。これほどの歌は、情景を言い流す程度にして、ただ、それとなく身に染みたのだろうなぁと思わせることこそが、奥ゆかしくも優美でもあります。ひどく言葉で表現してしまって、歌の要にするべき部分を、はっきりと言い表しているので、ひどく歌の情趣が浅くなってしまった。」といって、その折に、「わたくし(俊恵)の歌の中では、

  み吉野(奈良県吉野郡)の山が曇って雪が降ると麓の里ではしきりに時雨が降る

この歌を、この類(代表歌)としようと思いまず。もし後の世に(俊恵の代表歌が)はっきりしないという人がいれば、『(俊恵)がこのように(み吉野の~と)言った。』と語りなされ。」と言った。





【本文と現代語訳】

(わたくし鴨長明の和歌の師である)俊恵が(わたくしに)いうことには、「五条三位入道(=藤原俊成)のお屋敷に参上したときに、(私が俊成に)『あなたの歌の中では、どの歌を

俊恵(しゅんゑ)曰はく、「五条三位(さんみの)入道のみもとにまうでたりしついでに、『御詠(ごえい)の中には、いづれを

優れているとお思いですか。ほかの人はさまざまに評定していますが、その意見を用いるべきではございません。まさに

か優れたりと思ほす。人は、よそにて様々に定め侍れど、それをば用ゐ侍るべからず。まさ

今お聞かせ願いたいと思う。』と申し上げたところ、

しく承らん。』と聞こえしかば、

夕方になると野辺の秋風が身に染みて、鶉が鳴いているようだ(鳴いているのが聞こえる)この深草(京都市伏見区の地名)の里では。

「夕されば野辺の秋風身に染みて鶉鳴くなり(ふか)(くさ)の里

これを私の代表歌と思っております。」と(俊成が)言いなさったのを、わたくし俊恵が、また言ったことは、『世の中の広

これをなん、身にとりておもて歌と思ひ給ふる。』と言はれしを、俊恵また曰はく、『世にあ

くの人々が申しますは、

まねく人の申し侍るには、

白雲に花の姿を想い馳せて、後を追い、幾重もの峰を越えて来た。

面影(おもかげ)に花の姿を先立てて幾重(いくへ)超え来ぬ峰の白雲

これを、優れているように申しますは、いかがでしょうか。』と申し上げると、(俊成は)『さあ、よそではそのように評定しているかもしれませんが、

これを優れたるやうに申し侍るはいかに。』と聞こゆ。『いさ。よそにはさもや定め侍るらん、

知ったことではございません。やはり、わたくし自らは、(「面影に」の歌は)先ほどの歌(夕されば)には、言い比べることはできない。』とございました。」と(俊恵がわたくし鴨長明に)に語って、このことを、

知り給へず。なほ自らは、先の歌には言ひ比ぶべからず。』とぞ侍りし。」と語りて、これを

こっそりと申したことは、「あの歌は『身に染みて』という三句がとても残念に思われる。

うちうちに申ししは、「かの歌は、『身に染みて』と言ふ腰の句のいみじう無念におぼゆるな

これほどの歌は、情景を言い流す程度にして、ただ、それとなく身に染みたのだろうなぁと思わせる

り。これほどになりぬる歌は、景気を言ひ流して、ただそらに身に染みけんかしと思はせた

ことこそが、奥ゆかしくも優美でもあります。ひどく言葉で表現してしまって、歌の要にするべき部分を、はっきり

るこそ、心にくくも優にも侍れ。いみじく言ひもてゆきて、歌の(せん)とすべきふしをさはさは

と言い表しているので、ひどく歌の情趣が浅くなってしまった。」といって、その折に、「わたくし(俊恵)の歌の中では、

と言ひ表したれば、むげにこと浅くなりぬるなり。」とぞ。そのついでに、「我が歌の中に、

み吉野(奈良県吉野郡)の山が曇って雪が降ると麓の里ではしきりに(冷たく・さみしい)時雨が降る

み吉野の山かき曇り雪降れば(ふもと)の里はうちしぐれつつ

この歌を、この類(代表歌)としようと思いまず。もし後の世に(俊恵の代表歌が)はっきりしないという人がいれば、

これをなん、かの(たぐ)ひにせんと思ひ給ふる。もし世の末におぼつかなく言ふ人もあらば、『か

『(俊恵)がこのように(み吉野の~と)言った。』と語りなされ。」と言った。

くこそいひしか。』と語り給へ。」とぞ。





【本文と現代語訳(注付)】

(わたくし鴨長明の和歌の師である)俊恵が(わたくしに)いうことには、「五条三位入道(=藤原俊成)のお屋敷に参上したときに、(私が俊成に)『あなたの歌の中では、

俊恵(しゅんゑ)※1曰はく、「五条三位(さんみの)入道※2のみもとにまうで☆1たりしついで☆2に、『御詠(ごえい)の中に

どの歌を優れているとお思いですか。ほかの人はさまざまに評定していますが、その意見を用いる

は、いづれをか優れたりと思ほす☆3。人は、よそにて様々に定め侍れど、それをば用ゐ侍

べきではございません。まさに今お聞かせ願いたいと思う。』と申し上げたところ、

るべからず。まさしく承ら☆4ん。』と聞こえ☆5しかば、

夕方になると野辺の秋風が身に染みて、鶉が鳴いているようだ(鳴いているのが聞こえる)この深草(京都市伏見区の地名)の里では。

「夕されば野辺の秋風身に染みて鶉鳴くなり(ふか)(くさ)の里※3

これを私の代表歌と思っております。」と(俊成が)言いなさったのを、わたくし俊恵が、また言ったことは、『世の

これをなん、身にとりておもて歌と思ひ給ふる☆6。』と言はれしを、俊恵また曰はく、『世

中の広くの人々が申しますは、

にあまねく☆7人の申し侍るには、

白雲に花の姿を想い馳せて、後を追い、幾重もの峰を越えて来た。

面影(おもかげ)に花の姿を先立てて幾重(いくへ)超え来ぬ峰の白雲※4

これを、優れているように申しますは、いかがでしょうか。』と申し上げると、(俊成は)『さあ、よそではそのように評定している

これを優れたるやうに申し侍るはいかに。』と聞こゆ。『いさ※5。よそにはさもや定め侍る

かもしれませんが、知ったことではございません。やはり、わたくし自らは、(「面影に」の歌は)先ほどの歌(夕されば)には、言い比べることはできない。』とございました。」と(俊恵がわたくし鴨長明に)に語っ

らん☆8、知り給へ☆9ず。なほ自らは、先の歌には言ひ比ぶべからず。』とぞ侍りし。」と語

て、このことを、こっそりと申したことは、「あの歌は『身に染みて』という三句がとて

りて、これをうちうちに申しし☆10は、「かの歌は、『身に染みて』と言ふ腰の句※6のいみ

も残念に思われる。これほどの歌は、情景を言い流す程度にして、ただ、それとなく身

じう無念におぼゆるなり。これほどになりぬる歌は、景気☆11を言ひ流して、ただそらに身

に染みたのだろうなぁと思わせることこそが、奥ゆかしくも優美でもあります。ひどく言葉で表現してしまって、

に染みけんかしと思はせたるこそ、心にくく☆12も優にも侍れ。いみじく言ひもてゆきて

歌の要にするべき部分を、はっきりと言い表しているので、ひどく歌の情趣が浅くなって

、歌の(せん)※8とすべきふしをさはさはと☆13言ひ表したれば、むげに☆14こと浅くなりぬる

しまった。」といって、その折に、「わたくし(俊恵)の歌の中では、

なり。」とぞ☆15。そのついでに、「我が歌の中に、

み吉野(奈良県吉野郡)の山が曇って雪が降ると麓の里ではしきりに(冷たく・さみしい)時雨が降る

み吉野の山かき曇り雪降れば(ふもと)の里はうちしぐれつつ※9

この歌を、この類(代表歌)としようと思いまず。もし後の世に(俊恵の代表歌が)はっきりしないという人がい

これをなん、かの(たぐ)ひにせんと思ひ給ふる☆16。もし世の末におぼつかなく☆17言ふ人もあ

れば、『(俊恵)がこのように(み吉野の~と)言った。』と語りなされ。」と言った。

らば、『かくこそいひしか。』と語り給へ。」とぞ☆18





品詞分解

赤太字はここで押さえておきたい敬語

品詞単語
俊恵名詞
曰はく、連語
「五条三位入道名詞
格助詞
みもと名詞
格助詞
まうで動詞・下二段・連用形・謙譲(俊恵→俊成)
たり助動詞・完了・連用形
助動詞・過去・連体形
ついで名詞
に、格助詞
『御詠名詞
格助詞
名詞
格助詞
は、係助詞
いづれ代名詞
格助詞
係助詞・疑問
優れ名詞・下二段・連用形
たり助動詞・存在・終止形
格助詞
思ほす。動詞・四段・連体形・尊敬(俊恵→俊成)
名詞
は、係助詞
よそ名詞
にて格助詞
様々名詞
格助詞
定め動詞・下二段・連用形
侍れ動詞・ラ変・已然形・丁寧(俊恵→俊成)
ど、接続助詞
それ代名詞
格助詞
係助詞
用ゐ動詞・上一段・連用形
侍る動詞・ラ変・已然形・丁寧(俊恵→俊成)
べから助動詞・意志・未然形
ず。助動詞・打消・終止形
まさしく形容詞・シク・連用形
承ら動詞・四段・未然形・謙譲(俊恵→俊成)
ん。』助動詞・意志・終止形(撥音便)
格助詞
聞こえ動詞・下二段・連用形・謙譲(俊恵→俊成)
しか助動詞・過去・已然形
ば、接続助詞
「夕され動詞・四段・已然形
接続助詞
野辺名詞
格助詞
秋風名詞
名詞
格助詞
染み動詞・四段・連用形
接続助詞
名詞
鳴く動詞・四段・終止形
なり助動詞・推定・終止形
深草名詞
格助詞
名詞
これ代名詞
格助詞
なん、係助詞(係)
名詞
格助詞
とり動詞・四段・連用形
接続助詞
おもて歌名詞
格助詞
思ひ動詞・四段・連用形
給ふる。』動詞・下二段・連体形・謙譲(俊成→俊恵)(結)
格助詞
言は動詞・四段・未然形
助動詞・尊敬・連用形・尊敬(俊恵→俊成)
助動詞・過去・連体形
を、格助詞
俊恵名詞
また副詞
曰はく、連語
『世名詞
格助詞
あまねく形容詞・ク・連体形
名詞
格助詞
申し動詞・四段・連用形・謙譲(俊恵→俊成)
侍る動詞・ラ変・連体形・丁寧(俊恵→俊成)
格助詞
は、係助詞
面影名詞
格助詞
名詞
格助詞
姿名詞
格助詞
先立て動詞・下二段・連用形
接続助詞
幾重名詞
超え来動詞・カ変・連用形
助動詞・完了・終止形
名詞
格助詞
白雲名詞
これ代名詞
格助詞
優れ動詞・下二段・連用形
たる助動詞・存在・連体形
やうに助動詞・比況・連用形 ※名詞「やう」+断定「なり」
申し動詞・四段・連用形・謙譲(俊恵→俊成)
侍る動詞・ラ変・連体形・丁寧(俊恵→俊成)
係助詞
いかに。』副詞
格助詞
聞こゆ。動詞・下二段・終止形・謙譲(俊恵→俊成)
『いさ。感動詞
よそ名詞
格助詞
係助詞
副詞
係助詞
係助詞・疑問(係)
定め動詞・下二段・連用形
侍る動詞・ラ変・連体形・丁寧(俊成→俊恵)
らん、助動詞・現在推量・連体形(結)(撥音便)
知り動詞・四段・連用形
給へ動詞・下二段・未然形・謙譲(俊成→俊恵)
ず。助動詞・打消・終止形
なほ副詞
自ら名詞
は、係助詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
係助詞
言ひ比ぶ動詞・下二段・終止形
べから助動詞・可能・未然形
ず。』助動詞・打消・終止形
格助詞
係助詞(係)
侍り動詞・ラ変・連用形・丁寧(俊恵→鴨長明)
し。」助動詞・過去・連体形(結)
格助詞
語り動詞・四段・連用形
て、接続助詞
これ代名詞
格助詞
うちうちに副詞
申し動詞・四段・連用形・謙譲Ⅱ(丁重語)(鴨長明(書き手))→読者)
助動詞・過去・連体形
は、係助詞
「か代名詞
格助詞
名詞
は、係助詞
『身名詞
格助詞
染み動詞・四段・連用形
て』接続助詞
格助詞
言ふ動詞・四段・連体形
名詞
格助詞
名詞
格助詞
いみじう形容詞・シク・連用形(ウ音便)
無念に形容動詞・ナリ・連用形
おぼゆる動詞・下二段・連体形
なり。助動詞・断定・終止形
これ代名詞
ほど副詞
格助詞
なり動詞・四段・連用形
ぬる助動詞・完了・連体形
名詞
は、係助詞
景気名詞
格助詞
言ひ流し動詞・四段・連用形
て、接続助詞
ただ副詞
そらに形容動詞・ナリ・連用形
名詞
格助詞
染み動詞・四段・連用形
けん助動詞・過去推量・終止形(撥音便)
かし終助詞
格助詞
思は動詞・四段・未然形
助動詞・使役・連用形
たる助動詞・完了・連体形
こそ、係助詞(係)
心にくく形容詞・ク・連用形
係助詞
優に形容動詞・ナリ・連用形
係助詞
侍れ。動詞・ラ変・已然形・丁寧(俊恵→鴨長明)(結)
いみじく形容詞・シク・連用形
言ひもてゆき動詞・四段・連用形
て、接続助詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
動詞・サ変・終止形
べき助動詞・当然・連体形
ふし名詞
格助詞
さはさはと副詞
言ひ表し動詞・四段・連用形
たれ助動詞・完了・已然形
ば、接続助詞
むげに副詞
こと名詞
浅く形容詞・ク・連用形
なり動詞・四段・連用形
ぬる助動詞・完了・連体形
なり。」助動詞・断定・終止形
格助詞
ぞ。係助詞
代名詞
格助詞
ついで名詞
に、格助詞
「我代名詞
格助詞
名詞
格助詞
名詞
に、格助詞
み吉野名詞
格助詞
名詞
かき曇り動詞・四段・連用形
名詞
降れ動詞・四段・已然形
接続助詞
名詞
格助詞
名詞
係助詞
うちしぐれ動詞・下二段・連用形
つつ接続助詞
これ代名詞
格助詞
なん、係助詞(係)(撥音便)
代名詞
格助詞
類ひ名詞
格助詞
動詞・サ変・未然形
助動詞・意志・終止形(撥音便)
格助詞
思ひ動詞・四段・連用形
給ふる。動詞・下二段・連体形・謙譲(俊恵→鴨長明)(結)
もし副詞
名詞
格助詞
名詞
格助詞
おぼつかなく形容詞・ク・連用形
言ふ動詞・四段・連体形
名詞
係助詞
あら動詞・ラ変・未然形
ば、接続助詞
『かく副詞
こそ係助詞(係)
いひ動詞・四段・連用形
しか。』助動詞・過去・已然形(結)
格助詞
語り動詞・四段・連用形
給へ。」動詞・四段・命令形・尊敬(俊恵→鴨長明)
格助詞
ぞ。係助詞




和歌

夕されば 野辺の秋風 身に染みて

     鶉鳴くなり/ 深草の里

【解釈】

 夕方になると野辺の秋風が身に染みて、鶉が鳴いているようだ(=鳴いているのが聞こえる)この深草(京都市伏見区の地名)の里では。

【修辞法】

〇四句切れ  〇倒置法…四句目と五句目  〇体言止め…「深草の里」

【歌について】

〇『千載和歌集』に入集。

『伊勢物語』の123段を踏まえた歌。以下は123段の要約。

男が深草に住む女に飽き、このような歌を詠んだ。

  何年も通って来たこの土地を(私が)出ていったとしたら、ますます(この深草の地は)野に覆われてしまうだろうか。

女の返歌は、

(ここが)野になれば、私は鶉となって泣いていよう。狩りだけにでもあなたがこないでしょうか、いや来るでしょうから。(=あなたがきっと来るでしょうから。)

男は感動して出ていく気がなくなった。





面影に 花の姿を 先立てて

    幾重越え来ぬ/ 峰の白雲

【解釈】

白雲に花の姿を想い馳せて、それに誘われるように後を追い、幾重もの峰を越えて来た。

【修辞法】

〇四句切れ 〇倒置法…四句目と五句目 〇体言止め

【歌について】〇『新勅撰和歌集』に入集。


み吉野の 山かき曇り 雪降れば

     麓の里は うちしぐれつつ

【解釈】

み吉野(奈良県吉野郡)の山が曇って雪が降ると、麓の里ではしきりに(冷たい・さみしい)時雨が降ることよなぁ。





【修辞法】

〇つつ止め…和歌の文末を「つつ」で止め、動作・作用の継続を詠嘆的に表す。

【歌について】〇『新古今和歌集』に入集。





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