サ行変格活用
これは古文における動詞の活用の種類をまとめた表です。
「す」「サ行変格活用(サ変)」を見てください。
「す」のように「せ、し、す、する、すれ、せよ」と変わるものをサ行変格活用(サ変)といいます。
さて、このサ行変格活用(サ変)は、基本的には「す」「おはす」などです。
たとえば、「ものす」「奏す」などもサ行変格活用ですが、これはひとまず置いておきましょう。
とどのつまり、サ行変格活用は「す」「おはす」と思っておきましょう。
なぜサ行変格活用というのか
サ行変格活用(サ変)はなぜ、「サ行」「変格活用」というのでしょうか。
下の表の語を、「す」を活用させてつけてみてください。
すると「せず」「しけり・して」「す。」「するもの」「すれども」「せよ」というようになりますね。
ちなみにこの仕組みについては以下を参照してください。
さて、さきほどの「せず」「しけり・して」「す。」「するもの」「すれども」「せよ」のうち、1文字目に注目してみると、
「せ」「し」「す」「す」「す」「せ」のサ行だけですよね。だから、「サ変」変格活用というのです。
そしてなぜ「変格活用」というのかというと、
サ変は活用する際の母音が下の表のように「e.i.u.u.u.e」となり、四段活用や上一段活用、上二段活用また下一段活用、下二段活用のような規則がありません。
ですので、「変格活用」というのです。
まぁどのみちサ行変格活用(サ変)は数が少ないので、楽勝ですね。
ザ行変格活用はない?
動詞の中には「念ず」や「困ず」、「生ず」「重んず」のように、「ぜ、じ、ず、ずる、ずれ、ぜよ」と活用するものがあります。
「ざ、じ、ず、ぜ、ぞ」で活用するため、「ザ行変格活用」だと思う生徒はやはりいます。
しかし、「ザ行変格活用」はありません。
口語(現代語)で「恥じる」「重んじる」などは「じ、じ、じる、じる、じれ、じよ」のように「ザ行上一段活用」があるので、それと混同しがちですが、
ザ行変格活用はありません。
テストで「念ず」あたりの活用の種類を書かすとだいたい生徒は間違えます。
恐らく「ザ行変格活用」がないのは、
そもそもサ行変格活用自体、「変格活用」というように特殊なものなので、それを更に細分化する必要がないから。
また、本来「サ行変格活用」の発音だが、発音の都合により「ザ行」になったから。
というような理由だと思われます。
まぁここまでの説明をするかはともかく、以下は押さえましょう。
- サ行変格活用の代表は「す」「おはす」
- サ行変格活用は「せ、し、す、する、すれ、せよ」で活用する
- ザ行変格活用はない
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