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【古文】4つの「給ふ」の識別(尊敬・謙譲・本動詞・補助動詞)

この記事は約5分で読めます。

はじめに

「給ふ」には4つの使い分けがあることを知っていましたか。

この違いは共通テストや二次試験でも問われることなので、

今回その違いを理解して、識別できるように頑張りましょう!

そして今回の目標はこの例文を訳せることです!

1.大臣、人に禄を選び給ひて、給ひけれど、給へざりけりと聞き給へけり。

作:みかたんご




概要

上記表からわかるように「給ふ」には

尊敬の動詞「お与えになる」

尊敬の補助動詞「~なさる」

謙譲の動詞「いただく」

謙譲の補助動詞「~です、~ます、~させていただく」

があります。

尊敬用法は四段活用

謙譲用法は下二段活用です。

また、

本来の意味を有しているのが本動詞

本来の意味を失いほかの語を補助しているのが補助動詞です。

これらを識別していきましょう!

なお、謙譲の本動詞「いただく」は上代(奈良時代まで)の語なので、

基本的に共通テストや二次試験、定期テストでは問われません。

解説

〈手順①〉活用の種類を確認

1.大臣、人に禄を選びA給ひて、B給ひけれど、C給へざりけりと聞きD給へけり。

説明の便宜上、各「給ふ」をA~Dとしておきます。

まず初めに各「給ふ」の活用の種類を確認します。

A「給ひ」は

接続助詞「て」を伴っているので連用形で、

かつ

「ひ(hi)」という「i」の母音になるので四段活用です。

B「給ひ」は

過去の助動詞「けり」を伴っているので連用形で、

かつ

「ひ(hi)」という「i」の母音になるので四段活用です。

A、Bどちらも単に、

四段活用と下二段活用で母音が「i」になるのは四段活用の連用形だけなので、

だから四段活用の連用形と考えても大丈夫です。

四段活用に不安のある方はこちらもご覧ください。

1.大臣、人に禄を選びA給ひて、B給ひけれど、C給へざりけりと聞きD給へけり。

A、B「給ひ」・・・四段活用

C「給へ」は

打消の助動詞「ず」を伴っているので未然形で、

かつ

「へ(he)」という「e」の母音になるので下二段活用です。

D「給へ」は

過去の助動詞「けり」を伴っているので連用形で、

かつ

「ひ(he)」という「e」の母音になるので下二段活用です。

下二段活用に不安のある方はこちらもご覧ください!

1.大臣、人に禄を選びA給ひて、B給ひけれど、C給へざりけりと聞きD給へけり。

A、B「給ひ」・・・四段活用

C、D「給へ」・・・下二段活用




〈手順②〉本動詞と補助活用を確認

1.大臣、人に禄を選びA給ひて、B給ひけれど、C給へざりけりと聞きD給へけり。

A、B「給ひ」・・・四段活用

C、D「給へ」・・・下二段活用

概要のところで、

本来の意味を有しているのが本動詞

本来の意味を失いほかの語を補助しているのが補助動詞です。」

と説明しました。

この説明は正しいのですが、あくまで動詞の意味が分かっている前提です。

意味が分からない場合はどうすればよいでしょうか。

方法は簡単で、直前に動詞があるかどうかです。

詳しくはこちらにありますのでご覧ください。

Aは動詞に接続しているので補助動詞

Bは動詞に接続していないので本動詞

Cは動詞に接続していないので本動詞

Dは動詞に接続しているので補助動詞

です。

1.大臣、人に禄を選びA給ひて、B給ひけれど、C給へざりけりと聞きD給へけり。

A…四段活用・補助動詞

B…四段活用・本動詞

C…下二段活用・本動詞

D…下二段活用・補助動詞

〈手順③〉意味を確認

ここまでくればあとは簡単です。

四段活用は尊敬語

下二段活用は謙譲語

になります。

四段活用と下二段活用で敬語の種類が違うのは

「主体の転換」が関与しています。

「主体の転換」について学びたい方はこちらもご覧ください!

また敬語の種類について学びたい方はこちらもご覧ください!

上2記事を踏まえると、

四段活用では

貴人(=主体)が私にお与えになる」

で尊敬語だったものが、

下二段活用では

私(=主体)が貴人からいただく」

で謙譲語になったという具合です。

そして本動詞・補助動詞についてもまとめると以下のように言えます。

意味についてはある程度暗記していきましょう。

1.大臣、人に禄を選びA給ひて、B給ひけれど、C給へざりけりと聞きD給へけり。

A四段活用 尊敬の動詞「お与えになる」

B四段活用 尊敬の補助動詞「~なさる」

C下二段活用 謙譲の動詞「いただく」

D下二段活用 謙譲の補助動詞「~です、~ます、~させていただく」

尊敬語:赤字  謙譲語:青字


つまり訳はこのようになります。

1.大臣、人にを選びA給ひて、B給ひけれど、C給へざりけりと聞きD給へけり。

【訳】

大臣が、人に褒美を選びなさってお与えになったけれど、(その人は)いただかなかったと(私は)聞きました。

このようにして4つの「給ふ」を識別していきましょう!

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